就職難の理由

夏休み明けの全体会議で就職内定の報告書の厳しい現状を再確認。私の関係するビジュアルデザインコースも前年同月対比で半数程度の内定率に低迷している。
前任校で「キャリアカウンセラー」資格取得を支援してもらった経緯もあり、進路・転職のカウンセリングはもう一つの専門分野。本職にもかかわらずこの現状ではいかん、と思いを新たにする。
一方、デザイン専門職の求人数の減少は一時的ではないと判断している。過日、論理派で知られる(私が一方的にそのように尊敬している)Bスタジオのf社長とお話した際、「社会の構造変化に業界の意識が追いつけてないよ」と指摘いただく。社会から写植の関係者が求められなくなったように、デザインをソリューションビジネスと捉えていない、従来のグラフィックの事務所は仕事が薄くなるとの指摘だ。一方、「不況だからこそ新しい提案ができるデザイナーが求められてる。自分の表現より相手の幸せを考えられる企画力だね。」と情報デザイン系の学生には心強い。
私がインハウスデザイナーの当初から、そのデザイン部では表現・版下のテクニシャンとブランドクリエイトをするデザイナーとは分けて人材育成されていた。前者がコンピュータで効率化される今、新卒学生に期待したいのは後者の視点や経験なのが、実は採用側の本音だと思う。表現のテクニシャンなら私は外注で起用したい。

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