京都グランドプリンスホテルと村野藤吾氏

プラナカンの街を撮影して回ろうとマラッカの古いお屋敷のホテルを予約していたが、出発前日にキャンセルした。震災の影響で猫が極端に怯えるようになり、預けていけないと判断した。取り止めに伴うさまざまな手配を半日かかりで終えた頃、彼はすっかり元気を取り戻して(涙)、いつものように走り回っている。周到に手配した旅ほど、事が進まなくなる経験がいくつかあるなぁ。
気を取り直して車で京都へ行く。夫婦二人、落ち着いた環境で4月からの仕事を整理して考るのが必要。みんなそうだけど家と仕事場ともう1つ、第三の場所で視界を広げて考えたいことがいっぱいある。
京都グランドプリンスホテルは、故村野藤吾氏が基本設計を手がけて1986年に完成したとのこと。大きなスケールの空間構成から、室内での人の細かな動線に応えるディテールまで、隙がないし、人の営みを尊重してくれる愛情を感じる。浴室のドアノブの掘り細工まできれい(撮影し忘れた)。超一流の人の仕事は、ちゃんと伝わるんだ。このような本物がきちんと残っていて、スタッフの優秀な仕事ぶりで運営されている。日本の文化と経済のレベルの高さを誇りに思う。(びっくりするくらいのお値打ち料金)おすすめです。
夕方に四条を歩き、京都の九条ネギのお好み焼き。

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