クシタニと国道52号線

f:id:nobyas7:20140727105224j:plain新清水SAの「クシタニ」に行くと、ロング丈のメッシュジャケットが生産中止/Mサイズは残1着、ということで、購入してしまった。同社とは30年前にExprorerシリーズを買って以来の長いつきあいだった。当時のウェアは専用設計とはいえ、シルエットは寸胴で、凝ったディテールもなかったが、首もとと手首の調整や腰からの風の侵入を防ぐインナーベルトの仕組みがよく出来ていて、機能がそのまま形になった感があった。また当時のカタログは、製品の開発意図が書かれたコピーと情景写真が印象的で、僕はクシタニというブランドを信頼したことを覚えている。製品よりも体験の楽しさを大切にモノづくりをしているように感じた。

バブル前後は経営方針がぶれているのではないかと勝手に心配していたが、今もこうして残っていることは密かに嬉しい。

晴れた週末にGSの様子を見る、あるいは身体を慣らすためにいつもの52号線から下部温泉本栖湖へ登って精進湖で引き返し、農業道路をつなぎながら富士山西側を半周した。

2009年型の新エンジンは雑誌で解説された通り、発進時のトルクが心強く感じた。04年式で確かに数回エンストしたことがあったが、アクセル開度がわずかでも、ルルル、と爆発が前に進む力になって後輪を回し始める。ミッションのヘリカルギアの変更も分かりやすく、シフトショックがはるかに小さく(以前はガツン、とエンジンユニット全体が揺れるような場面があった)機械が不愉快に出しゃばらないように仕付けされている。雑味が減り、洗練された印象だった。前オーナーが付けていたR's ギアのスタンドハイトブラケットも、車体を引き起こすのに有り難かった。それでも、04年式と違うスタンド形状と、10mm高くなったシートは、停車時や取り回しの際に、次はこうして、と予測して動く必要が増えた。まだ、身体の慣らし運転が始まったばかり。

 

copyright Nobuo Yasutake