共鳴する都市文化

台北で感じるのは、本を読むのが好きな人たちなんだろうなぁ、ということだ。数年前から話題の誠品書店を少し覗くと、若くて身だしなみがいい人達(大抵はサイドを刈り上げた髪型とモノトーンの軽いシャツ、ジャケットを羽織っていて、清潔感たっぷりの男性たち)が、本気の姿勢でハードカバーを立ち読みしている。20分くらいはそのままの姿勢でしっかり読み続けられそうな、重心の置き方が見事だ。

書店がファッションやカフェや雑貨と一体化している業態は、気の利いたミュージアムショップのようで、自分はミドルクラスの住人だぞ、という帰属意識や幻想のようなプライドを生み出してくれる。

台北と東京とでは、オシャレ文化の波及時差はないし、どちらが先ともいえないほどに共振しながら、「今、こういうのがかわいいでしょ」という文化ふりかけを旅人に巻き続けている。

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copyright Nobuo Yasutake