未来デザインの終わりとはじまり

常葉大学の学生団体(部活w)である未来デザイン研究会が、「リアルタイムドキュメンテーション」を始めたのは、2012年のUX-Shizuokahttps://www.facebook.com/uxshizuoka/)のワークショップから。グループごとに学生のスクレイバーが張り付いて記録しながら、社会人に「ここ、先生のレクチャーからずれてますよ」と厳しいファシリテーションをしはじめました。学生と私は、ワークショップの中で次々に起こる出来事を選び、重要度を判断し、模造紙の上での構造化を2年間つづけました。講師と受講者と記録者の間で、いくつもの気づきが反応しあうことで、学びが深まっていく可能性を実感したのです。

2014年からはグラフィックファシリテーションという位置付けで、Code for Japan始め、大学内外のセミナーの記録が増えました。造形学部の学生ゆえ、視覚言語(イラストや図記号)は豊富です。私が大切にしたのは、目標達成のための記録の研究でした。20人ほどの学生が、さまざまな記録手法に分かれて「わかる」度合いを確かめ合う練習をしたりしました。

大きな転機が、2015年のHCD-Net(人間中心設計推進機構)のサービスデザイン講座全8回の記録担当です。グラフィックによる記録を研究する学生に対して、受講者は「絵があるとわかりにくいんだ」と教えてくれました。安易に「情報を構造化することで」「わかる気持ちにさせる」ことは、グラレコを見る人の理解を妨げると同時に、記録する学生たちの成長も削いでいるのかもしれない。「素早くわかる」ことは良いことなの?「わからない」ことに向き合うことが大切じゃないの?など、学生たちは答えがでない問いを抱えながら、数々のグラレコの現場に向かいました。

こうして、函館から福岡まで、未来研の学生たちは動き続け、その中核メンバーたちが来春にかけて卒業し、いよいよ企業のUXデザインの現場で、今度はグラフィックファシリテーションに向かい合うことになると思います。嬉しいことに、今年の4月から家電メーカーのUXデザイン室に勤務しているFは、すでに社内の会議をグラレコ・グラファシで変える活動を、会社公認で始めています。

グラグリッドさんはじめ、多くの方々の応援をうけて動き続けてきた学生たちは、2018からは社会人としてみなさんのチームメイトになることと思います。また、研究会も新たに「クリティカルデザインラボ」と名前と定義を変えて、静岡市内と(ときどき)都内で、新しい活動を始めます。

まずは127日(土)に神保町のEDITORYにて、活動報告会を開きます。宣伝になっちゃいましたが、サービスデザインを研究する私たちを、2018もよろしくお願いします。

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Open Lab 私たちのデザインの学び方

https://peatix.com/event/336216

 

未来デザイン研究会

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