シンボルマークかな

ご縁があって、全国育樹祭のシンボルマーク選考をお引き受けする。難しい仕事になった。植樹祭との違いや、林業振興のための計画的な伐採のアピール、後継者育成などがテーマということがマークの募集要項からは読み取りにくい。新芽を守る富士山をモチーフにした応募作が並ぶ。
シンボルマークは複雑な活動や抽象的な理念を一つの形に象徴して表すものだが、意味があっているから優れたマークという訳でもないと思う。あまり直裁にテーマを読み込むよりも、そのマークを見た市民や関係者がどのような気持ちになってもらいたいか。そうした想像力の飛躍から生まれた作品が力を持つ場合が多い。つくづく造形は手段であり、コミュニケーションが目的だな、と感じる。
さらに顕著なのは、多くの応募者がキャラクターとシンボルマークを混同していることだろう。会場に並んだ作品のほとんどが顔と手足がついている絵柄!あり得ない解釈ではないが、こうした傾向の作品が量的に多く、質的に「かわいい」に偏っているのは問題ではないだろうか。
もう少し多様な解釈があってほしい、と中学や高校でのシンボルマークの授業に期待を込めて審査させていただいた。

copyright Nobuo Yasutake