現場

地元の商店会有志の方々に集まっていただき、学生による活性化のアイデア発表会を行う。地域の歴史や文化の文献調査、フィールドワーク、聞き取りを経て検討した問題解決の案は、6チームによるデザインプランにまとまった。
学生によるNPO立ち上げとギャラリー運営の3年限定プロジェクト。地域住民の帰属意識を高める「くさなぎ学級」提案。地元のクリエイターを支援するギャラリーバーの企画。学生/OL/地元別にメニューを構成する3in1のカフェなど、オリジナリティが高いアイデアが、説得力あるビジュアルとともに提出された。

商店会の利用者をユーザーにして商業やサービスを提案した視点と、商店会の構成員をユーザーにして自己改革を迫る組織のデザインを提案した視点に大別される。特に後者は商店会長をはじめとして出席した方々には耳がいたい話であろうが、学生の指摘を正面から受け止めて反省材料にされていた点が心強かった。
全ての提案は今すぐに実現するようなビジネスプランではないが、研究した側もされた側も、次につながる示唆が多く含まれていた。広告と違い実態が想像しにくいクライアントの経営や消費行動のためではなく、そこで生活している生身の人のために知恵をめぐらせたことが大きいのではないだろうか。
商店会の若い経営者が言った。「すばらしい提案をありがとう。本当に難しいのは企画を実現することではなくて、こうした企画の大切さを商店会のみなさんに分かってもらう作業にあるけど、そこは我々が頑張る」この言葉が、学生にとって「デザインにできること」の責任と限界の自覚につながってくれる事を祈っている。

広告を非表示にする
copyright Nobuo Yasutake