東京都現代美術館


新木場での「Transformation」展と「オランダのアート&デザイン新言語」展。前者は予想していたよりも鋭くて重い。人間の存在についての認識を問いかける意図とはいえ、同時代の美術家たちの視点はこれほど厳しい必要があるのかと思う。私たちの日本の生活では気にしていないこと、考えなくても済むことに目を見開いて、手を突っ込んで、匂いを嗅いで、自分なりの意見をまとめなさいと言われている(と思う)。
映像作品が主流なのも、作家の思想と表現が飛び込んで来る速度を倍増させている。真剣勝負を望まれる分、正直、疲れるなぁ。若い時は尖っているものほど好き、とうそぶいていたようにも思うけど、今は違う。でも来ている人たちはじいぃっと観ている。
直後にオランダのアート&デザイン展を歩くと、思想やメッセージが楽天的に感じられてリラックスしてしまった。写真はMartijn Engelbregtさんの「迷惑電話撃退マニュアル」。彼のような参加型のプロジェクト(アート)活動は、今はピンと来る。基本的に人生には幸せがやってくることを肯定してくれていそう。

copyright Nobuo Yasutake