Infographics workshop 4 "静岡"

情報デザインを学ぶ、Infographics workshop 4 "静岡" が無事に成果をあげることができた。過程を整理することで、価値が客観視できると思う。
2010年5月、横浜の情報デザインフォーラムで浅野先生とお話しできたのが起点。「今のデザイン教育はこれでいいのかな?と、感じている人は多いよ」との一言で、奉職している大学のカリキュラムや組織の方向性に矛盾を覚えても間違いではないと(勝手に)腑に落ちて、「今の社会に通用するデザイン教育を実現しよう」と(これも勝手に)盛り上がった(汗)
2010年11月は、同フォーラムの Infographics workshop 3 に参加して、尊敬していた木村博之さんから助言を頂くとともに、社会人と学生が共に学ぶワークショップの効果を実感した。勉強は楽しいし、厳しいし、心細いということを知るのはとても良い。
「静岡で大人の合宿ワークショップやろうよ」と浅野先生が熱意を込めて楽しげに発案していただいたのはこの時。泊まりがけで、時間をかけて、考えて話して交流して学ぶ時間が素晴らしい成果を生み出すであろうことは、ゼミ学生との合宿ワークや、渡欧して英国の大学とのワークショップの経験から想像がついた。懸念はいくつか。情報デザインフォーラムの会員ではない私が主催するのは変かな? 参加者は集まりすぎないかな?  そもそも誰に告知しよう? 大学は支援してくれるかな? 予算は? 一人で全部はできないぞ? と手探りながらも、情報デザインフォーラムの皆さんからの助言をいただきながら、じわじわ現実に近づいた。
一方で、情報デザイン(HCD)を学ぶ実践の場として、「未来デザイン研究同好会」を作り、「Ravensbourne」大学とのデザインコンペ、静岡市の活性化にデザインができることとしての「シビックプライド研究」など、在籍学生に向けたカリキュラムの変更も(勝手に)加え続けた。
2011年5月から8月。関わった学生たちが盛んにデザイン学会、情報デザインフォーラムのワークショップに挑戦しはじめ、経験の蓄積が軌道に乗り始めた。
他方、フォーラム中心メンバーである千葉工業大学の山崎先生が推進される「地域を元気にするデザイン」ワークショップ、原田先生が研究される「リアルタイムドキュメンテーション」との整合性も気にかかる。
どこまでできるだろう?
突破口は、講師を快諾いただいた木村さまの豊富なアイデアと、ドキュメンテーションに学生を派遣しましょう!と申し出ていただいた原田先生。本当にありがとうございます。
常葉側は、3つのチームで動き出した。ドキュメンテーションを学びながら実践に挑むのは、経験豊富な4年のゼミ学生。強く信頼しているメンバーだ。ワークショップに参加し、次世代として情報デザインの学びを身につけるのは2年生。ワークショップという「イベントをプロデュース」するのは心優しい3年生。延べ25人ほどが関わるビッグイベントになった。
それぞれの準備、連携に関してはFacebookに詳しいが、さまざまな混乱も私としては想定内。仕事としての責任感が生まれて、開催2日前ほどにようやく相互の報連相が(少し)かみ合ってきた。
想定外なのは、参加者層。浅野先生、原田先生の学生がはるばる来てくれるのに驚いた反面、数カ月前から参加を呼びかけていた県の西部、中部のデザイン系の大学からはゼロ。(静岡大学さん、浜松デザインカレッジさん、静岡デザイン専門学校さん、ありがとう)。また広告業界の方々、新聞社の方々、多くの卒業生も、空振りだった。秋は忙しいのか? キャンセルも相次ぎ、3年の広報スタッフと定員確保に神経を使う日々が続いた。
宿泊所との契約、会場の手配、facebookの運営、参加者管理、夕食/朝食/昼食のプランと交渉、物品の見積や手配、大工仕事など、裏方の3年生の仕事量は驚く程に多かった。よく不平も言わずにこなしてくれたと思う。感謝している。
こうして、私たちは10月29日、30日を迎えることができた。
講師の木村さま、小島さま、小林さまから運営やドキュメンテーションを評価していただき、肩の荷がおりた。
参加いただいた静岡大学の川原崎先生や多くの方から「充実した」「役に立つ」とメールいただき、嬉しかった。
情報デザインを学ぶ場を作りながら、私たちが学んだことの方が大きかったのかもしれないと、今、思う。
でも、次はありません(笑)。誰かが私に「やりたい」と持ちかけてくれる時に、ものごとが動き出すはず。
経過はこちらから。http://www.facebook.com/pages/Infographics-workshop-4-静岡/164569780299447

copyright Nobuo Yasutake