デザインについて考える合宿2017

骨折の痛みが治まらないまま、学生31名と直島へ行く。事情があって非・電動自転車で移動したが、立ち漕ぎもできない身体の不自由さを思い知らされた。夜の山道を押して歩くことになろうとは。

デザインの学びについて、いわば利用者の傘を借りるのではない、自前の洞察力を鍛える必要性に気づくことが目的だ。4年、3年は勘がいい。私がメモした「旅とアートの価値」にほとんど近い問いを持っていたのを嬉しく思う。今後はこれらインサイトから、特定のサービスを考案することになる。

4年の全員が「島ロス」が1ヶ月以上も続きましたという。この学年は伊東市熊本市、福岡市と段階的にダイバーシティに気づく旅をしてきたが、それらが有機的に結びついたのだろう。空や木々を見ても愛おしさを覚えるらしい。私の仕事は学究的な知見や社会的な成果につながらず、ただ人の心の中に小さなロウソクのような熱を生み出す程度なのだろうが、それはそれで良いと思う。

 

旅とアートの価値とは、向き合うことから 力が生まれること。

 

旅とは、向き合うことを強いる。

世界に・季節に・大地に・過去に・民族に・理不尽に・無力に・匂いに・暑さに・体力に・気力に..

なぜなら、私たちは普段、向き合わない(なくてすむ)ように、様々なしくみを作って生きている。

より安全に、平熱に、疑いや畏れにさいなまれないように、

 

アートも、同じ。

私たちに向き合う力を呼び起こすもの。

 

f:id:nobyas7:20170826194544j:plain

f:id:nobyas7:20170827102709j:plain

f:id:nobyas7:20170827161351j:plain

copyright Nobuo Yasutake