ヘンドリキェ・バック美術館

12時にアムステルダムを発ち、ロンドンへ入る。午前中に駆け足で国立博物館とヘンドリキュ・バック美術館を回る。フェルメールの「牛乳を注ぐ女」がこれほど小さい作品とは。画家がその時に目にしていた空間と時間がぎゅぎゅっとキャンバスに閉じ込められているような密度に圧倒される。空気を描いている。絵の前で無言で立っている我々の学生が頼もしい。
トラムとバスを乗継ぐのも慣れて、2つのショップを回りながらユトレヒト通り横のバック美術館Tassenmuseum.nlを探す。1600年代の建物を残した、豪奢なインテリアはため息が出る。カフェのオーナーが「座ってもいいわよ」と写真も撮ってくれる。
バックの造形に惹き付けられる。彫刻、テキスタイル、建築、プロダクト、装飾などさまざまな観点から複雑な魅力がある。女性のために男性がデザインしてきたモノに昔から関心があるものの、じっくり調べたことがない。
アムステル川の橋を走って戻って、バスで空港へ。学生も随分頼もしくなってきた。自分でボーディングパスを発券して、出国へ。16時にロンドン入り。ここでも自分でオイスターカードを買えるようになっている。窓口への全体交渉は私がやるものの、後は個人で。
いつものラッセルスクエアのホテルまで地下鉄でスーツケースを運んで、一息ついたら夕方のウェストミンスター界隈からチャイナタウンまで、バスと地下鉄で散策してみる。学生も緊張感と意思力のある顔になってきた。
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copyright Nobuo Yasutake